EU首脳、保護主義排斥を主張 FTA締結活性化へ=声明草案

[ロイター] - 欧州連合(EU)は9日から開く首脳会合で、自由貿易協定(FTA)を一段と活発に締結する方針を表明する一方、保護主義を排斥する姿勢を示す見通しであることが明らかになりました。

首脳会合後に発表される声明ではトランプ米大統領は名指しはしない見通しです。ただEU首脳が発するメッセージは、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を決定し、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を表明したトランプ氏の方針とは対照的なものとなります。

声明草案によりますと、EU首脳はカナダとの包括的経済貿易協定(CETA)を欧州議会が承認したことに歓迎の意を表明しました。これは「保護主義的な傾向が再び台頭しつつある時に」明確な動きとなるとし、EUの執行委員会である欧州委員会に対し現在進められている新たな自由貿易協定の交渉を「断固として」前進させるよう提案します。

また、不当廉売や不公正な政府助成に対する課税を呼びかけます。

EUが現在進めている交渉のなかでは、日本との協定が最も妥結に近いと見られています。EUはまた、メキシコとの貿易協定の改正に向けた協議も加速させているほか、メルコスール(南米南部共同市場)加盟国との交渉も優先的に進めるとの姿勢を示しています。

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